水イボ |
投稿: |
みなさま、こんにちは。 ようやく梅雨が明け、夏の暑さが本格的となってきたようです。 さて季節柄、水イボ(伝染性軟属腫:でんせんせいなんぞくしゅ)に罹患して来院されるお子さんが大変多くなってきました。 水イボは、ウイルスによる皮膚の感染症のひとつです。 ウイルスが皮膚に付着して増殖すると、1〜2mmの光沢のある小さな結節ができます。 ウイルスによる感染症ですので、放っておくと次々と増えて全身にブツブツと広がっていきます。 残念ながら、水イボには根本的な治療薬(飲み薬・塗り薬)がありません。 一番確実な治療法は、ひとつひとつの水イボをピンセットでむしって取り除くことです。 そのため、罹患したお子さんには大変痛く辛い思いをさせてしまいます。 そんなわけで、最近では「水イボはウイルス感染症であり、免疫がつけば自然治癒する」ことから、積極的に治療しないで経過をみる先生も多いようです。 確かに、水イボは自然治癒することがある病気です。 しかしながら、自然治癒するまでには「少なくとも半年、長ければ数年かかる」と言われています。 そのため、自然治癒を待つ間にも、残念ながらその数は増えていってしまいます。 お父さん・お母さんもその状況に不安を感じてしまうでしょうし、保育園や幼稚園などで集団生活をする中で、他のお子様に遷してしまう可能性があるため、罹患したお子様は、水遊びなどをすることができず、淋しい思いをしてしまうことも多いようです。 (注:水イボは、プールの水を介して感染しませんので、学校健康安全法でも水遊び・プールは禁止されていません。しかし、遊んでいて直接接触したり、遊具などを介したりして感染を起こしますので、施設によっては禁止されてしまっています。) そのため、最終的には増えてしまった水イボを大量に摘除せざる得なくなってしまうことが多く、結局は数が少ないうちに摘除することが、罹患したお子さんのためになるのではないか、と私は思っています。 また、治療法がなく自然治癒するのは、水イボだけでなく、他のウイルスによる感染症も同じことです。 でも、はしかや風疹、おたふくかぜに罹患すれば、他人に遷さないように注意されますよね? もちろんこれらの病気は合併症を引き起こす可能性がありますので、水イボと同列に扱うことはできませんが、遷すことで他人に不快な思いをさせることは同じですので、たとえ水イボであっても放っておくべきではないと思います。 そのため、当院では、お子さんが痛い思いをしたとしても、十分に説明をさせていただいた上で、積極的に水イボの治療をしております。
お子さんの体に水イボのようなものを見つけてしまった場合や、自然治癒を待っていたら増えてしまってお困りの場合など、ぜひ伊藤医院にご相談ください。
|
2020年8月1日(土) |
<< アトピー性皮膚炎の新薬(コレクチム®軟膏)が使用可能になりました。 2020.6.24 |
新たな新型コロナウイルス対策 >> 2020.8.29 |
はじめのページに戻る |