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 新型コロナウイルスのワクチンについて:その3
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今度は、新型コロナウイルスワクチンに対する懸念材料を少しお話します。

 

1.新たにPEGに対するアレルギーを獲得する可能性

 

アレルギーとは、ある物質に対して過剰な免疫反応を起こすことを指します。

 

アレルギーは、一部例外はあるものの、基本的に「生まれつき」のものではなく、後々獲得してしまうものです。

それは「花粉症」を例にするとよくわかります。

花粉症は、花粉に対して過剰な免疫反応を起こして、くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどが出るアレルギーの病気です。

生まれてこの方、春になればみんな平等にスギ花粉を吸い込んでいるはずなのに、発症してしまう人、平気な人、様々ですし、発症するその時期も全く違います。

今までなんの問題もなく使っていた化粧品が急に合わなくなって使えなくなる、美味しく食べられていたエビに対するアレルギーが急に出るようになって、大好きなのに食べられなくなる、そういうことは決して珍しくありません。

 

また、口から摂取されたものは、基本的に栄養として取り込む必要があるものですから、免疫反応で排除する・アレルギーを起こす、ということは稀です。

一方で、皮膚は、外敵から身を守るために体を覆っているバリアとして働いています。

そのため、皮膚から入ってきたものは異物と見なし、排除しようと強く免疫反応を起こします。

「虫刺され」が良い例ではないでしょうか。

虫の成分が体に入ってくることで、それを排除しようと、免疫反応を起こして皮膚が赤く腫れ上がるのです。

 

ワクチンに使われているPEGについても同じことが言えます。

特に、ワクチンは皮膚に打ち込みます。

皮膚から取り込まれたPEGが、新たに異物として認識され、アレルギー反応を起こしてしまうようになる可能性がゼロではありません。

 

 

2.長期的なフォローの必要性

 

短期的な「副作用」「副反応」とは別に、長時間経過したあとに明らかになる「合併症」についても考えなくてはいけません。

ワクチン接種による「長期的な合併症」のひとつに自己免疫疾患が挙げられます。

これは、ワクチン接種によって免疫が活性化された結果、ウイルスに対する免疫だけではなく、好ましくない異常な免疫まで活性化されてしまい生じるとされています。

若年性関節リウマチ、ギラン・バレー症候群、横断性脊髄炎、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、1型糖尿病など、過去にワクチン接種と関連があるのではないか、と報告されている病名は、このようにいくつもありますし、そう聞くと怖くもなるかもしれません。

ですが、こういった「自己免疫疾患」の報告は、非常に稀です。

また、これらの自己免疫疾患は、新型コロナウイルスワクチンだけでなく、他の既存のワクチンでも報告されていますし、別の原因(実際のウイルス感染など)でも起こり得ます。

どんな薬にでも副作用はあり、非常に稀ながら、命に関わる重篤な合併症も存在します。

ですが、みなさん、それほど気にされずに、高血圧や糖尿病の薬をお飲みになります。

ワクチンでも同じことで、稀な合併症に対して、どこまで神経質になる必要があるか、は難しいところです。

 


さて、最近一番多く聞かれる質問が、「私は〇〇という病気があるけど、ワクチンは打っていいのでしょうか?」というものです。

アトピー性皮膚炎やじんま疹など、皮膚科にはアレルギー疾患が多くありますが、ワクチンを接種しても大丈夫です。

PEGに対するアレルギーがある」とハッキリとわかっている方は、ワクチン接種は避けるべきですが、それ以外の方は問題ありません。


もちろん、「副作用が起きない」というわけではありません。

他の一般的な薬と同様に、低い確率ながら、誰にでも起きうるものであって、リスクはゼロにはできません。

 

 

最後に、ワクチン接種の是非についてです。

私自身は接種することを推奨していますが、最終的には各自の判断が求められます。

 

各種報道では、「ワクチンを打つリスク」ばかりに目が向いているように思います。

先にも書いたとおり、「ワクチンに対する正しい知識」も限られているようにも思います。

その一方で、「新型コロナウイルスに罹患した時のリスク」、つまり「ワクチンを打たなかった場合のリスク」があまり議論にあがっていないように感じます。

その双方の情報を十分に取り揃え、平等に考え、天秤にかけた上で、考えていただければと思います。

 

 

一連のコラムがみなさんの参考になることを願っております。



2021年3月28日(日)

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